2024/02/26〜2024/03/01

2024/02/26(月)

朝起きて、働きたくなさが全身を駆け巡った。しばらく呆然とし、諦め、出勤。働き、帰宅。冷たい小雨が降っていた。週の初めに暴力的な量の味噌汁をこしらえて数日かけて晩ごはんにちまちま食べていくというダイエットをしている。大して運動していないので痩せない。

 

2024/02/27(火)

昨日から通勤本(帰りの通勤電車で読む本)が東浩紀存在論的、郵便的』になった。いよいよ、という感じ。ハードカバーの本を電車の座席でちんまり座って広げるの難しい。パロールエクリチュール、多義性と散種、同一性と同じもの。「かも知れない」が直線性に挿入されること。今日も電車を降りたら冷たい霧雨が降っていた。傘を差すのが面倒でダウンのフードをかぶって帰った。

 

2024/02/28(水)

久しぶりに市バスに乗った。京都に住みはじめてから片手で数えるくらいしか乗ったことがない。平日夜の市バスはたしかにそこに住む人のものである。車窓をぼんやりと眺める。視界の端から端へ街の明かりが現れては消えていく。夜中までやっている喫茶店で頭の先からつま先までタバコの煙に燻されながらコーヒーを飲んだ。中上健次の初期三部作をおすすめされたので今度の休みで本屋を覗いてみようと思う。

 

2024/02/29(木)

表層部分だけを掠めて分かったような気になるのは良くないし、引用でしかそのものを語れなくなってしまう。この前読んだ『批評理論を学ぶ人のために』という本の中に、「〈表現〉を手がかりにして〈体験〉を捉えることが〈理解〉であるとする」という一文があった。自らの内に湧き起こるもの、立ち上るものを捉えること。それらを検分して言語化すること。

 

2024/03/01(金)

やっと金曜。今週は久しぶりに毎日6時起きで、帰宅も遅い日が多かったので疲れが溜まっている。職場に学生が見学に来ていて少し雑談をする。就職したらお金貯めたいんですよね、と話しているのを聞き、何も考えず「偉いね〜!」と感嘆していたら、「今みんなそうですよ、というかそういう時代ですよ…!」と力説された。慌てて、そうだよね、ごめんごめん、となぜか謝ってしまった。今の若い子は慎ましくならざるを得ないんだな、と少しショックを受ける。「そういう時代ですよ(そういう時代だからしょうがないんですよ)」と20歳の子に言わせてしまうのがつらい。若者(特に学生)の貧困の影響は思ってるよりも大きいのかも知れない。いまのこの状況が長い目で見て大きなダメージを社会にもたらすのだろうと想像できてしまい胃の底の方が冷えた。

 

2024/02/08〜2024/02/14

2024/02/08(木)

私信のようでいて、ボトルメールのような連絡をくれる友人がいる。フランスで滞在制作をしているという短い近況報告が送られてきた。過去と現在と未来が、『自分』を通して交差する、そのことで生まれる何か、それがとても楽しみです、という返信をした。パリは今頃お昼だろうか、そういうことを考えた。

 

2024/02/09(金)

家に生花があるととても良い。光に照らされてできる影のシルエットがかわいいことに朝起きて気がつく。もしかしてワイングラスってチューリップの隠喩なのかも、と半分寝ぼけた頭で考える。6:20、家を出る。日が登るのが早くなってきた。

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2024/02/10(土)

福尾匠さんの『日記 私家版』を少し前から読みなおしている。日記を書くことについての言及を読み、自分の日記の書き方について少し考える。書く前から書くことが決まっている状態というのはあんまり面白くないかも。頭のなかで推敲せずにもっと即興的に書くべきなのかもしれない。俯瞰って難しいなと思う。ある種の冷徹さで見つめること、何にも執着しないこと。おとといからすっかりパリの気分で、積んでいたヘミングウェイ『移動祝祭日』を読み始めた。

”自分が空っぽになると、自分の仕事を再び始めるまで、仕事のことを考えたり心配したりしないように、読書することが必要であった。自分の創作の井戸を決して涸らさないで、井戸の底に何かまだ残っているときにいつも止め、そこへ流れ込む泉から夜の間に補給させるようにすることを、私はすでに学んでいた。”

 

2024/02/11(日)

ドーナツを作った。ミスドハニーディップが好きで、あれを家でつくれたらとずっと画策していた。一次発酵、二次発酵を終えてもあまり膨らまず、大丈夫か...?と心配になったが、揚げてみたら案外それっぽくなったので良かった。生地をこねて形成する作業は「手首から先運動」(坂口恭平)そのものだったなと思う。

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夕方、街へ出る。久しぶりに100000tを覗く。ずっと読みたかったが高価で手が出なかった本を何冊か見つけてテンションが上がる。そのうちのひとつ、『文化のなかの野生』を購入。ルイジギッリ『写真講義』も見つけたが、古本とはいえ結構な値段で怯んでしまった。いつか、みすずの本を躊躇なく買えるようになるのだろうか。

MOVIXで『夜明けのすべて』を観る。どのシーンにも優しさがあり、あたたかいまなざしがある。『ケイコ』でもそうだったように、シーンの中に空間的な高低がはっきりあって面白い。街の遠景のショットでとにかく涙が出てくる。三宅唱監督作品をリアルタイムで観ることができること、その時間を、とにかく言祝ぎたい。そういう映画だった。

 

2024/02/12(月)

実家から送られてきた野菜でせっせと常備菜を仕込む。ついでに早めの昼ごはんを用意したら存外に豪華になってしまいお腹いっぱい。

f:id:analog_3:20240212212550j:image卵とトマトのナンプラー炒め、ウインナー、カリフラワーのおかかマヨ和え、かぼちゃの煮物、蓮根のきんぴら、キャロットラペ、玉ねぎとわかめとスナップエンドウの味噌汁、白米

 

食後ちょうど眠くなりかけたタイミングで買い物ついでに散歩に出る。川の音を聞きながら遠くの空を眺めると、昨日の映画の遠景のショットが思い出されていくらか泣きそうになる、というか泣いた。Hi'Specの音楽が素晴らしかったなと思い、『きみの鳥はうたえる』のサントラを聴いたら余計に泣けた。山添くんと藤沢さん、僕と佐知子と静雄。

f:id:analog_3:20240212213539j:image西日、反射

f:id:analog_3:20240212213641j:image樹皮が白くツルツル、なぜか舟越桂の彫像を思い出した

f:id:analog_3:20240212213837j:image黄色いボールガムみたいな実、何の木だろう

 

2024/02/13(火)

朝起きて悄然とした気持ちでいた。うっすらと死にたいような気がしてくる。仕事。一日中、全然ダメで、イライラする。気分が改善しないようで、立て直し方も思い付かない。全くもって良くない一日だった。疲れ、帰宅。すぐに寝た。

 

2024/02/14(水)

6:20に家を出て乗る通勤電車は乗客はたくさんいるのにいつもとても静かで、早朝から粛々と労働に向かう人しかいない。が、今日は大学生くらいの若い女性2人がおしゃべりしながら乗り込んでいた。キャリーケースを引いているので旅行者かもしれない。他の乗客をみて、「こんな時間に出勤とか、私なら秒で仕事辞めるわ(笑)」などと話している声が聞こえてきた。本当に悲しく、怒りの気持ちが湧いてくる。場所が場所なら殴られてもおかしくないんじゃないかと思ってしまった。あなたが秒で辞めたいと思うような働き方をしている人がたくさんいる、本人の意志に関わらずそうせざるを得ない人がいて、そういう人たちによって支えられている経済や社会が確かにある。

2024/01/01〜2024/01/06

2024/01/01(月)
今年も元旦早朝出勤。正月ダイヤのことをすっかり忘れていた。働き、帰宅。自転車を漕いで上賀茂神社へ初詣に行く。確かにすごい人出だが立地も相まってか地元の人が多い印象で、下鴨や平安神宮と比べるとどことなく牧歌的な雰囲気がある。おみくじは吉。目の前のことをいいからやれ、とのこと。凶を引いた去年のリベンジができてホッとした。帰って大飲酒大会をしていたらいやな揺れ。すぐに3.11の時の長い長い横揺れのことを思い出した。なり続ける緊急地震速報NHKアナウンサーの叫び声にも似た避難指示のアナウンス。こういうじっとりした嫌な時間を共有する誰かがいてくれて助かると思った。

 

2024/01/02(火)
午前中から暖かくて下手したらコートが要らないくらい。コインランドリーに行くためにコンビニで一万円札を崩す。コインランドリーの両替機で千円札を百円玉に崩す。機械の横のコイン投入口に百円玉10枚を1枚ずつ入れていく。お金、と思う。
福尾匠さんの1/1の日記をすばらしい、とにかくすばらしいと思いながら読む。こういう日記が書きたい。1月1日 - tfukuo.com

 

2024/01/03(水)
テレビをつけるといろんな情報に接続過剰になってしんどい。代わりにYoutubeで「動物 ライブカメラ」と検索して、一番上に出てきたナミブ砂漠の映像をずっと垂れ流していた。水場に集まる多様な動物や鳥たち、砂漠に吹く風の音。本当に同じ地球のどこかでリアルタイムで起きている事象なのか。午後、ナミブ砂漠を横目に読書。牧野雅彦『精読 アレント「人間の条件」』。原著をいきなり読む勇気が無かったのでまずは解説本から。
"ともに生きる他者とコミュニケートするために言葉を用いるという意味においてだけではなく、さらに重要なのは、自分自身に話すことで私は自分自身とともに生きているのである。"

 

2024/01/04(木)
仕事始め。めちゃくちゃ仕事が溜まってるかと思いきや案外暇で肩透かし。職場の人達、みんなあんまりやる気がなくてそれが良かった。働き、帰宅。夕飯の買い物をして帰ろうと思ったらいつものスーパーが休み。スーパーでさえ休業なのになぜ今日から仕事なのか、と心の中で憤慨。怒ったってどうしようもないのに。しかたなくコンビニに寄って虚しい夕食。しかし一日しっかり働くと当たり前だがちゃんとお腹が空くのですごい。正月でリズムが崩れた胃腸が慣習を取り戻していくさまを見ている。

 

2024/01/05(金)
帰りの電車で三浦哲哉『自炊者になるための26週』を読む。この本を読んだ多くの人がそうであるように文章だけでとにかくお腹が空いてくる。第9章「煮る」の野菜のポタージュの項を読んですっかりポタージュの気分。かぼちゃと玉ねぎを買って帰宅。帰ってすぐ玉ねぎをスライスして炒めつつ、人参とかぼちゃを切って鍋に投入、水を入れて火が通るまで待つ。戸棚の奥からハンドブレンダーを久々に引っ張り出してきてひたすらギュイーンしまくる。最後に牛乳と塩(三浦哲哉によれば塩分濃度0.6%が重要とのこと)をいれて完成。理論が分かれば自炊は本当に楽しい。

 

2024/01/06(土)
昨日からのポタージュの気分を引きずっていて、それならサンドイッチ的な何か、と思って近所のパン屋へ自転車を走らせる。角食を6枚切りにしてもらい、家に帰ってレタストマトハムをサンドしておいしく食べる。夕方、『PERFECT DAYS』を観るために京都シネマへ。久しぶりに両隣びっちり埋まった客席で映画を観た。うむ、清貧、と思って、ネット上で議論されてるホームレスやブルーカラーの描き方うんぬんはさておき、"これ"に憧れたり共感したり安堵したりするのは違うなと思った。役所広司三浦友和というふたりのイケオジを堪能するための映像だった。しかし三浦友和の声ってすばらしいと思う。

2023/12/12〜2023/12/13

2023/12/12(火)
仕事。落ち込むというか腹が立つことがあって帰ってから何もやる気が起きなかった。スーパーで買った焼きそばをすごい勢いで食べて、それでもむしゃくしゃした気持ちが収まらず、チョコパイを5個一気に食べた。胃がもたれてうまく寝付けなかった。

 

2023/12/13(水)
あのーいまあれやでぇ、油かす半額で出てる。
帰り道、商店街の肉屋の前を通り過ぎる時に来店客に向けて店のおばちゃんが放った言葉が聞こえてきた。商売人の声だ、と思った。

2023/12/05〜2023/12/11

2023/12/05(火)
最近、人と読んだ本の話をすることが多い。昔から読書感想文が苦手で、特に要約することが下手だという自覚がある。自分の読んだ本の内容を伝えるのが難しくていつも少し落ち込む。めちゃくちゃ良くて、とか、すごい面白くて、とか、そういうのもう使いたくないなと思う。"そんなんなら黙ってればいいのに"という福尾さんのツイートを思い出す。

 

2023/12/06(水)
散々溜めた日記を書いていたら、唐突な「わかり」が訪れたのでツイートした。
"出力するためには絶えず思考せねばならず、思考を続けていくためには出力がなくてはならないのだ。"

 

2023/12/07(木)
記憶なし。木曜。

 

2023/12/08(金)
帰りの電車で『眼がスク』。やっと読み終わりそう。日記を振り返ると11月頭から読み始めたようだ。正直、ほとんど内容が理解できたと思えないが、ドゥルーズを理解するためにはベルクソンをまず理解しなければいけないのだろうなという構成だった。"支離滅裂なゴミクズ"というパワーワードが出てきて笑った。

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2023/12/9(土)
ある人の家に遊びに行ったら天井にミラーボールが吊るされておりゲラゲラ笑う。町屋の中庭に立派な木が生えていて、家主によれば梅の木だという。ビール、ワイン、日本酒を順番に空けていく。酒をたくさん飲むと饒舌になって色んな話ができるが、酒をたくさん飲んでいるのでその内容のほとんどが記憶に無い。飲酒の真理だ。

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2023/12/10(日)
若干の二日酔いで午前中が溶けていった。昼を過ぎて買い物のために外に出るとやけにぬるっとした暖かさで気が狂いそうになったので慌てて家に帰った。

 

2023/12/11(月)
仕事。よく帰り道が一緒になる同僚の人がいて、駅までの道を歩きながら最近食べた美味しいものの話とかしている。平和。年末年始に唐突に訪れる、あれ食べたい→作ろう、の連関がシームレスに行えるように今のうちからせっせと食料を備蓄しようとふと思った。

 

 

 

 

2023/11/28〜2023/12/04

2023/11/28(火)
今秋になって初めて柿の美味しさに気づいてからというもの、せっせと硬い柿を買ってきては剥いてシャクシャクと食べている。とにかく硬くて種がないのが良い。

 

2023/11/29(水)
仕事。単純作業をこなしながら、ぼんやりとなぜこんなにも本を読もうと思うのか考えていた。現実を面白がるためには持ち合わせていない技術が必要で、そのために本を読んでいるのだと思う。世界をもっといいものだと思いたい、ということでもあるのかもしれない。

 

2023/11/30(木)
Spotifyが2023年のまとめを作ってくれた。Twitterやインスタにトップアーティストやトップソングをこぞって皆アップしている。しっかり便乗する。自分と同じアーティストがランキングに入っている人を見かけると嬉しくなる。単純。今年は色んな人に色んな音楽を教えてもらった。どれもエポックな出会いだったように思う。

 

2023/12/01(金)
夜勤入り。朝から風呂にゆっくり入る。自宅の浴室には東側に小窓が付いていて、午前中の日差しが差し込んでくる。湯船から立ち登る湯気がその光を鈍的に反射させている。いつまで経っても仮眠がうまく出来ない。ほとんど眠れず出勤。

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2023/12/02(土)
夜勤明けで帰ってきて数時間寝てから歯医者へ。河原町の人出の多さに辟易する。もう一生御池通以南には行きたくない、と思うくらいの人の密度だった。夜、Uくんと焼き鳥で飲む。宝焼酎ハイボールの瓶を初めて見てあまりの可愛らしさに思わず写真を撮る。あのベコベコの缶にはないいじらしさがある。夜の北大路を自転車で爆走。とにかく寒かった。結局いつもの店に着地。ボトルを開けて酔っ払う。

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2023/12/03(日)
昼前には起きる。若干の二日酔いの身体で掃除、洗濯をこなす。イヤホンをして土曜の夜のうちにPodcastにアップされたラジオを順番に聴きながら手を動かす。ダイアン、マユリカさらば青春の光。外食が続くのは憚られるので昼は家で済ませる。いつの日かまとめて下準備してパン粉までつけて冷凍しておいたアジフライ、味噌汁、納豆、白米。これからどうしていくの?と問われて「自分でつくって自分で食べる」とNさんに答えたいつかの日のことを思い出した。

 

2023/12/04(月)
代休。昼からAmbient kyotoへ。まず京都新聞地下の会場の方を見に行ったけれど、正直ここだけで十分だったなと思った。大画面の映像と大音量の坂本龍一。View〈風景〉とView〈見方〉の生成変化。あとは山本精一が良くて2回観た。

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2023/11/21〜2023/11/27

2023/11/21(火)
食べても食べてもお腹が空く日。プロテインなら罪悪感が少ないのでついつい飲んでしまうが結局カロリーオーバーしていることに変わりはないのだ。

 

2023/11/22(水)
昨日ダイアンのyoutube見ていたらどうしてもミスドが食べたくなってしまったので帰宅後自転車で最寄りのミスドまで行く。津田さんがエンゼルクリームをやけに美味しそうに食べていた。ついでにマクドでも色々買う。念願の今季初三角チョコパイ。去年の冬、職場の人に三角チョコパイを貰ってからその美味しさを知ってしまったのだ。家に帰って全部食べた。生理前なのでこれくらいの暴挙は許してほしい。

 

2023/11/23(木)
祝日はいいものだなと思ってゆっくりした朝。昨日のドーナツの残りを食べながら『ストーナー』をちまちま読む。久しぶりに小説を読んだせいか、表現の美しさにいちいち感動する。夜、アマプラで『ノマドランド』を観た。やはり孤独と寂しさは違うのだ。自分が自分と一緒にいられることを求めて旅に出る。その人やその場所を去ることでまた出会い直すことができる。主人公が詩を読むシーンが好きだった。

 

2023/11/24(金)
誠光社でトークイベントを観る。いつも行く店内のレイアウトが変わっているとなんだかソワソワしてしまう。しかし壁一面の本に囲まれている空間というのはとても幸福だと思う。私は標準語で早口でよく喋る人を見ると「東京の人だな〜」と思うことに気づいた。梶谷さんの打つ相槌の語尾が毎回ゆる〜くのびる感じで、とてもいいなと思う。イベント終了後、梶谷さんに話しかけて大ファンであることを伝えた。憧れの人を前にしてめちゃくちゃ緊張して話しかけてしまったのでかなり気持ち悪かったと思う。日記が続くコツを教えてもらったので大事に覚えておきたい。

 

2023/11/25(土)
昼、人から誘ってもらってアップリンクて『台風クラブ』を観た。正直、自分では絶対見ることを選ばない映画だなと思った。終盤の描写でちょっと画面を直視できない部分があってかなりしんどかった。タルカでミールス食べて散会。夜は外でライブを観た。本当に素晴らしい音楽体験になった。七円体というユニットの演奏で最初から出自不明の涙が出そうになる。感動して泣くとか美しくて泣くとかではない、例えば痛みで勝手に涙が出てくる、みたいな類に近いように思った。シンバルの音が重なることで和音やメロディが聴こえる。聴こえない音が聴こえる、という稀有な経験をした。初めて空間現代の演奏を観た。こんなに気持ちいいものがあっていいんだ!という変拍子の応酬。丁寧なのに親切じゃないのが好きだなと思う。演奏がめちゃくちゃ上手い。会場に9月に観た演劇の戯曲家の方がいるのを見かけて終演後思わず声をかける。とても気さくな人でよかった。

 

2023/11/26(日)
早朝出勤。寝不足。結局昨日のライブの後、寄り道して近所の店で日付が変わるくらいまで飲んでしまった。近所の店にちょっと頻繁に行き過ぎ、というか"常連"ぽさが出てきてしまって良くない。率直で気持ちのいい、空気のような人間になりたい。

 

2023/11/27(月)
出勤、労働。単純作業をこなしながら、しかし空間現代の演奏はすごかったなということばかり考えていた。リフレイン、反復、ドゥルーズ
"リトルネロ=リフレインは、鳥の囀りや、昆虫たちの音色や、さらには波のゆきかう音と同様に、治金術師の音のリズムとして、カオスに抗しつつ生存の空間をつくる手法なのである。"『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』(檜垣立哉)